Vol.16
タシールエニット博物館

CONTENTS

 ある日ダヤンはジタンにさそわれて“タシールエニット博物館”にやってきました。わちふぃーるどでは いろいろな所に変な物が落ちていることが しばしばあります。それは外の世界へ出入りする時 ちょっとした 空間にひずみができるためだと 入口に書いてありました。ダヤンは自分が この世界へきた時のことをちょっと思い出しました。博物館の中にはたくさんの物がありましたがたいていの物にはシールがはってあり こんなことが書かれてありました。
ヨウト モチヌシ 不明 ココロアタリノアル ヒト ハ 館長マデ。
 ダヤンは外の世界から来ましたので 知っている物も何点かありました。犬の首輪やレコード盤 実際どうでもいい物が多かったので いちいち説明したりはしませんでしたが 巨大な花の化石 夜になると 金色に輝くという石 魔女が落としていったというほうきが フワフワ宙に浮いているのにはビックリしました。そうして見ているうちに ダヤンは「あっ」と小さい声をあげました。
展示ケースの中には見なれた懐中時計が光っています。なんてことでしょう 忘れるはずはありません。 その時計は 前にいた世界での主人 ケントスさんの時計ではありませんか!
ダヤンはケントスさんが この懐中時計をふところから取り出しては「おや もうこんな時間 急がなくちゃ!」 と言っていたのを思いだしました。説明には
モチヌシ 不明 1年間ニ 10秒シカ動カナイガ 正確。
とありました。ダヤンは大事な時計をなくした ケントスさんを 大変気のどくに思いましたが まさか こんな所にあるなんて夢にも思うまい と考えました。

バースディブックVol.1「12の月の物語」7月のおはなし・タシールエニット博物館から。

CONTENTS
  • 「バースディブック」
  • スケッチバカの三社祭記
  • 「ニャーニャーニャーの猫会議」
  • SHOP INFORMATION
  • INFORMATION
  • CROSSWORD
  • DayanTimes編集部から
  • Copyright 2001,Wachifield Licensing,Inc., All rights reserved.