
今から17年ほど前のある日のこと・・・タイム・ジンジャー・ピクルスの三人は、リーベントヒルに
開いた雑貨屋さんの2階から、道行く人をぼんやりと眺めていました。「あー、むこうからひとがくる!」
「まぁた、御用聞きじゃないのかい?」「違うようだよ、若い女だもの」「うちの店に入ってきそうかい?」
「姉さん、呼び込みしといでよ」とまぁ、終日こんな調子。
雑貨屋を開き、お店のシンボルマークにダヤンを起用し、グッズもぼちぼち作ってみたものの、寒い季節には、駅から離れた店にまで来てくれるお客さんは、とても少なかったのです。「やっぱりダヤンが受けないんだよ」「こわいとかさ、妙な目つきだとかさ」「私らがこわいわけじゃないだろうね」「まあ、2階から顔を
出さないほうが無難だね」三人は、顔を見合わせて、そろってため息をつきました。
「わちふぃーるどのカシガリ山から、はるばるアルスまで出張ってきたっていうのに」「誰も頼んじゃいないよ」「まあまあ、仲間割れはやめて、ひとつ小話でも作ってみようよ」一番年上のタイムがそう言うと、
妹達もすっかり乗り気になりました。
「そりゃいいや」「あたしら、おかしな話はいくらでも知ってるからねぇ」「ダヤンに聞いた話だけでも、
何冊も本が書けるよ」「でも、売れるかね」「なあに、日記帳にしてさ、読むだけでなく使えるようにすればいいんだよ」「あったま、いいー」
こうして、初めてのわちふぃーるど物語が生まれました。
それから1年後、ほるぷ出版から初の絵本も無事出版され、わちふぃーるどの話は、すっかりお茶の間の
みなさんに知れ渡るようになった・・・というのが、三人の魔女の言い分ですが、さあ?嘘か誠か。
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