出版社から池田あきこさんが、「ダヤンのモロッコ紀行」の取材で近々モロッコに行かれることになったと伺った夜、A型の夫とO型の私の間でいつものとんちんかんな会話がかわされた。「ダヤンが今度モロッコへいくんだって！」「へぇーそう、ダヤンって誰だったかなあ」「あらいやだ、猫つまみのダヤンよ！」私も勘違いをしているわけだがなあにどうせ夫にその違いは分からないだろう。 　それからしばらくたったとても暑い8月の昼近く、私と池田さんは初めての対面をした。ぎらぎら太陽のにぎやかな午後、レダ和洋（通称カッチャン）の1才のバースディランチにお招きを受けたのだ。カッチャンのママはファティマ。モロッコ女性は本当に明る くくったくがないので私は大好きなのだ が、彼女は特に話が面白くおもわず噴き 出すことが多い。その日は、そんなファ ティマと日本人のご主人和彦氏の一粒種 のバースディであった。朝から在日のモ ロッコ女性達が子供づれで寄り集まって、