宅麻:どうですか、そちらの方の天気は?
池田:ええ、とってもいいお天気で。この美術館は富士山を
真芯にみつめる一番いい場所にあるんです。お庭もわりと広
くて、湖の向こうにくっきりと影の出たきれいな富士山が見
えます。
宅麻:じゃ行楽にはバッチリですね。で、池田さんの原画展
のことなんですけど、どんな内容になっているんでしょう?
池田:今回は3つの絵本の原画と、わちふぃーるどの地図
とかの、大きな絵が飾られています。60数点ですけど。そ
のほか、わちふぃーるどっていうのは地球と同じような球体
なんですけど、それをやはり球体で、立体的に表現したジオ
ラマとか、ラビリントス・タシルといってタシルの街を迷宮
のように造ったジオラマなどが飾ってあります。
宅麻:いいですね、夢があって。シアターまであるって聞いてますが。
池田:ええ、「小さなのぞき穴大劇場」っていうんですけど、
タシルエニット博物館の建物の中に小さな映画館があるって
感じで、そこでモノクロの短いアニメーションを上映してい
るんです。鉛筆画でつくった、実に地味なものなんですけれ
どもなかなか動きがおもしろいです。
宅麻:池田さん自身、いちばん難産だった、もしくは一番こ
れに思い出があるんだ、という作品、一点だけあげてほしいんですが。
池田:それはやはり一番最初に描いたダヤンがひとりだけ立って
いる絵だと思います。まだ絵本つくる前に描いた、かな
り大きな絵なんですよね。この絵を描いたことで、架空の世界が
開かれたみたいな。 |
宅麻:今のわちふぃーるどの起源っていうか、原点でしょうか。
池田:そうですね。ダヤンはいわば水先案内的なネコなんです。
ダヤンがいてはじめて私自身わちふぃーるどの国へ行けた、というか創
れたという、それが一番はっきり現れている絵なんです。
宅麻:じゃ、池田さんがそこから始めた空想の世界と、自分
だったらダヤンにこんなところに連れていって欲しいという世界を
比較対象してみるのもおもしろいかもしれませんね。
池田:ええ、絵本もそうですし、今度のアニメーションもそうですが、
全部を説明しているものじゃないですから、個人のそれぞれの思いがふくらんで
いくものであればよいな、って思いますけど。
江崎:私、ダヤン君大好きなんですよ。ダヤン君グッズなんか
売ってないんですか。
池田:ええ、美術館が2階でここの1階は富士山の見えるカフェと
ダヤングッズを扱うお店になっているんです。どれも大人のひとが持って
生活を楽しめるものをつくってますので、ぜひそれも見てください。
江崎:今日はありがとうございました。
FM富士周波数 78.6MHz-Tokio
83.0MHz-Kofu
|