Archive for 6月, 2010

トール山の洞窟と秋吉台

金曜日, 6月 25th, 2010

さあ、発売前の大公開だよ。

長編外伝『ダヤンとふたりのジタン』、第二部の舞台となる洞窟見取り図がこれ!

『ダヤンと王の塔』を書くとき、城の模型を作ったように、今度は洞窟断面の見取り図を描いてみました。

ファンタジーって基本が作り話だから、できるだけ整合性を持たせないと、いかにもうそっぽくなってしまう。

案外苦労するものなのです。

そして、より現実感を出す・・というより、まあ、自分が自信を持って書けるように、せっせと洞窟探検をしているわけです。

面白いしね。

ってなわけで、山口まで出かけ、洞窟の本にたーくさん出てくる秋吉台の鍾乳洞も巡って参りました。

これが有名な、秋芳洞の黄金柱。

やっぱりすごい迫力です。

秋芳洞、しゅうほうどうではなくて、あきよしどうと読むようです。

昭和天皇が皇太子のときに、名づけられたんですって。

ここは他にも百枚皿など見所がいっぱい。

天井も高く、豊富な地下水で急流や滝、淵と曲折に富んでいるところはとても参考になりそうです。

秋芳洞、景清洞、大正洞と三つの洞窟を巡って、一番気に入ったのは景清洞。

途中までは灯りがあるけれど、その先は真っ暗で、これぞ洞窟探検。

入り口で懐中電灯のついたヘルメットや長靴を借ります。

なんてったって、物語の中では電気なんかついていないからね。

始めはたいまつを持っていたとしても、いつまで持つか分からない。

ちなみに懐中電灯を消してみたら、ひゃー、こりゃ参る。

方角もまったく分からない。パニックになりそうです。

ここにひとりでライターだけ持って、届けもなく入洞した人が、三日後に助け出されたそうですが、すっかり参っていたとか。

ひざの上まで水に浸かって、その先に行くのは断念。残念・・

一緒に洞窟に入ってくれたのは秋吉台科学博物館の学芸員の方。

今回は科学博物館にとてもお世話になりました。

鍾乳洞と鉱山が同じ場所にあってもいいかとか、自主発光できる生物についてとか、色々聞くことができた。

この方はこうもりの研究をしているところもすばらしい!

こうもりの発する超音波の鳴き声を、人の耳でも聞くことのできるよう変換する装置も装備していて、こうもりについてたくさん教えてもらった。

はるか昔、遠い海でサンゴ礁として誕生した秋吉台。

なんと三億五千年前というから、気が遠くなりそう。

それだけの年月をかけて、地下には無数の鍾乳洞が発達した石灰岩の台地となったわけです。

洞窟探検もさることながら、どこまでも続く、夕暮れのカルスト台地をはろばろと見晴らしていると、浮世のことなどケロリ忘れてしまいそう・・

アニバーサリーの絵

金曜日, 6月 18th, 2010

デザイナーのコンピューターをマックからウィンドウズに変えるので

朝からアトリエはわさわさしている。

私は元々ウィンドウズだし、かかわっても役に立たないので、

自分の仕事に没頭。

今は長編を中断して、アニバーサリープレートの絵を描いている。

毎年秋に描きおろすイヤープレートだけれど、今年から趣向を変えて、

五年連作で『タシルの情景』を描いていくつもり。

しかもイングレーズという、美しく優雅な絵付けにするために、

ペンで描くことにした。

長編の挿絵もペンに変えてみようかなと思っていたので、ちょうどいい。

ちょっとくどいけれど、新しい感じに仕上がったー。

今度はナンバリングもできるので、秋をどうぞお楽しみに!

梅雨に入って、蒸し暑いお天気が続いていやね。

明日は伊東へツーリングの予定だったけれど、やっぱり雨の模様。

あさっての有隣堂もあるし、車にしようかな。

明日もあさっても晴れますように・・・って、ちょっと無理かしら。

ダヤンのアベコベアの月

金曜日, 6月 11th, 2010

ヤッホー!

新作絵本ができた。

一年かかった。

絵本と思って読むと、意味不明かもしれないけど、

例えば、お母さんが読んであげる場合なんかは

思ったままに解釈して、お子さんと語り合ってください。

ひとりぼっちはさびしいようで、さびしくもないようで。

一見開きごとに、ちょっと違う場所に行ってもらえるといいなー

と思っています。

そして『モエ』も発売になりました。

特集は『ダヤンと森のものがたり』ボルネオの森がいっぱいだよ。

スケッチ紀行『北欧へ行こう』も文庫になって新発売。

なので、今週の日曜は船橋東武で新作絵本発売記念のサイン会を開催します。

そして来週二十日には有隣堂ヨドバシAKIBA店でトークショーとサイン会

七月4日には、銀座阪急H2で恒例のデッサンパフォーマンスを行います。

みなさん、ぜひいらしてください。

そして本を買ってくれるとさらにありがたい!

洞窟探検

月曜日, 6月 7th, 2010

今書いている長編外伝の舞台になるのは、トール山の洞窟。
そこで、河口湖に行く途中、鳴沢氷穴と富岳風穴に寄って見学してきました。頼んだガイドのおじさんは駐車場係も兼ねていて、いまいち頼りなかったけど、そそりたつ氷柱や氷筍は美しく、マグマで一瞬のうちに燃えた大木のあとが、そのまま残った洞窟はとても面白かった。

鳴沢写真

ちょっと遠いけど、次は秋吉台の秋芳洞にも取材に行ってこようかな。

その後は久しぶりの木ノ花に。
朝から待っていてくださったという方々もいて、即興のサイン会になりました。

ファンの人との写真